kiligihiii’s diary

ぼくは十分に速くあったろうか

ユリシーズの予習1:イーリアスを読もう

久々の更新は久々に読んだ小説のことを書く。『ホメーロスイーリアス物語』と『ホメーロスオデュッセイア物語』を読んだ。

ホメーロスの イーリアス物語 (岩波少年文庫)

ホメーロスの イーリアス物語 (岩波少年文庫)

 
ホメーロスの オデュッセイア物語(上) (岩波少年文庫)

ホメーロスの オデュッセイア物語(上) (岩波少年文庫)

 

叙事詩を読みやすく再構成したものだから、厳密には「小説」ではないけど、それはさておき。なんでこれらを読んだかというと、『ユリシーズ』を再読する前に、下敷きとなった『オデュッセイア』とその前編『イーリアス』が読むことで、『ユリシーズ』をより楽しもうと思ったためだ。ただ、叙事詩という形式に慣れていなくて諦めた経緯があったから、再話された本書を読みたかったのだが、絶版になっていて、すっかり諦めていたら岩波少年文庫として再販されたのである。

気づけば買ってから数年が経っていた。

ですので、あくまで今回の感想は「岩波少年文庫版」のものです。あしからず。それではどうぞ。

まずは『イーリアス』。トロイア戦争が舞台で、ギリシャ側はリーダーのアガメムノーンの他に、弟のミネラオース、アキレウス、智将オデュッセウス等。対してトロイア側はリーダーのヘクトールとその父プリアモス、弟のパリス等。どちらかというとギリシャ側の方が魅力的な人物が多い。アキレウスの母親は海の女神テティスである。そういう世界観である。

トロイア戦争の原因を書いておくと、パリスがミネラーオスの妻ヘレネーを寝とったというどうしようもないものである。そのせいで10年以上の攻防が繰り広げられ、多くの命が失われた。

神様はそれぞれギリシャ側、トロイア側について応援する。神様は理解不能な絶対的な存在というより、どこか憎めない、愛嬌を持った存在として受け取れた。でも登場人物は神々へ頭が上がらないようで、自分の行動や運命も神様が決めたから仕方ないよね、といった感じである。どこのシーンだか忘れてしまったけど、自分のよくない行動について「まぁでもあれは神が俺に指示したから」みたいなところがあった。これが「中動態の世界」というやつだろうか。

中動態の世界 意志と責任の考古学 (シリーズ ケアをひらく)
 

 
最初の方はギリシャが攻めたら次はトロイアが攻めて、という展開が繰り返されて面白みに欠けるところがあったけど、パトロクスが活躍するあたりから物語に勢いが出てきて思った以上に楽しく読めた。とくにアキレウスプリアモス王との対話のシーンはグッとくるものがあった。

あと、自分は『ユリシーズ』を読むことが念頭にあったから、オデュッセウスの振る舞いを気にしながら読んでいた。武力と知力を兼ね備えた存在として描かれていて、その冷静さがある意味で、オデュッセウスが浮いた存在のようにも感じられた。

 

『オデゥッセイア』については、後ほど。